わたしの日刊工業新聞 活用法(7) 酉島製作所情報システム室企画・開発課長兼業務企画部・冨田宏仁さん
「中小企業を身近に感じる紙面」
発電や海水の淡水化、石油化学プラントに使われるハイテクポンプで有名な酉島製作所。最近は国内だけでなく、中東やアジア諸国をはじめ海外での事業展開にも積極的だ。情報処理の司令塔である情報システム室企画・開発課長の冨田宏仁さんに日刊工業新聞の活用法を聞いた。
―日刊工業新聞を読み始めたきっかけを教えてください。
「他の部署が読んでいた日刊工業新聞で中小企業のIoT(モノのインターネット)への取り組みを紹介した記事を目にしたことだ。工学部出身のため、中小企業の技術を中心に作られている紙面は身近に感じた」
―新聞を読むのにどれぐらい時間をかけていますか。
「朝一番、15分ぐらいかける。時間がない時は、一面から目次を見て、機械面や情報通信面などの気になる記事を読んでいる。時間があれば人事関連の記事を読む。工業系の取引先の情報が集まっているからだ。年齢を重ねるにつれ、他社や取引先の同年配の方の人事異動が気になるようになった」
―特に興味をひかれる記事はありますか。
「インタビューなどについている『記者の目』。淡々と事実が述べられた後に、記者の切り口で解説しているのがわかりやすい。取材を重ね、事実を読者に伝えたいという記者の思いが伝わってくる。もう一つは『倒産学』(毎週火曜日掲載)。企業が事業を拡大する記事は他紙でも読めるが、倒産した経緯まで書いているのは日刊工業新聞しかなく、面白い。業務上も参考になる」
―日常の業務にどのように役立てていますか。
「製品の記事は当社で活用できないかと考えながら読んでいる。実際に設計部門とは『ウチではこんなことはできないの?』と話をする。情報システム室ではデモ機を取り寄せ、導入を検討したこともある」
―日刊工業新聞のどんなところが魅力ですか。
「地域に密着した紙面づくりと、他紙には出ていない中小企業の記事が多いところだ。地区特集は『堺・泉北(南大阪)』や『北摂(北大阪)』というように細分化され、内容も地元の話題が豊富。対象地域が広く、大企業が中心の他紙には親しみを感じにくい」
―紙面づくりへの要望をお聞かせください。
「新製品や新サービスを紹介した記事はよくみるが、その後を検証した記事を読みたい。たとえば、IoTやクラウドを導入した中小企業にどのようにビジネスに活用しているかをテーマに対談してもらうのはどうだろうか。期待している」
―ありがとうございました。
【略 歴】冨田宏仁(とみた・ひろまさ) 2000年九州工業大学工学部設計生産工学科卒業、同年酉島製作所入社。2015 年7月から情報システム室企画・開発課長兼業務企画部。福岡県出身、39歳(2016年6月現在)。
【企業ファイル】
名称 |
株式会社酉島製作所 |
代表者 |
原田 耕太郎氏 |
所在地 |
大阪府高槻市宮田町1-1-8 |
URL |
http://www.torishima.co.jp |
事業内容 |
ハイテクポンプ事業、プロジェクト事業、サービス事業、新エネルギー・環境事業 |
インタビュアー:大阪支社販売局