読者インタビュー

2016.04.27

わたしの日刊工業新聞 活用法(6) 東京工業大学フロンティア材料研究所教授・真島豊さん

「就活に役立つ企業ネタが豊富」

  東京工業大学フロンティア材料研究所の真島豊研究室では、次世代フラッシュメモリーの候補の一つである分子メモリーを研究している。最終目標は2ナノメートルから3ナノメートルで動くデバイスを開発することにある。現在、分子・ナノ粒子とナノギャップ電極を用いて室温で動作する単電子トランジスタ・分子デバイスを構築し、回路動作の実証を進めている。真島教授に日刊工業新聞との出会いや活用法を聞いた。

 ―日刊工業新聞との出会いや購読のきっかけを聞かせてください。

 「新聞自体は昔から知っていた。深く知るようになったのは2002年に一時、東工大から文部科学省に職員として派遣されてから。日刊工業新聞社は文科省の記者クラブに加盟しているので、そこで記者と仲良くなり、記事を発信してもらったりしているうちに親近感を持つようになった」

 ―2016年4月から木曜日に大学・産学連携面を新設しましたが、紙面についてはいかがですか。

 「基本的に1面から全てのページに目を通すようにしている。他の大学が何を考えているかを知るため、大学面は新設面も含め詳しく目を通す。水曜連載の『拓く研究人』は知っている人が掲載されていると、じっくり読んでいる」

 ―他の媒体にない魅力があれば教えてください。

 「日刊工業新聞は、発表ものでも何でも情報にきちんとプラスαを付加した記事が掲載されているのが良い。これは他の新聞やネット媒体にはない。その分野の人なら一歩先の未来が読めるのと、最新の企業動向がわかるのが魅力だ」

 ―たとえば、どのような記事でしょう。

 「ブリヂストンがタイヤの接地面を感知することで、路面状況をドライバーに社内ディスプレーで知らせる技術を開発したという記事が載っていた。目的は急な路面変化をドライバーに知らせ、安全運転に寄与することにある。ここまではインターネットや他の新聞にも書いてあるが、日刊工業新聞は課題にまで踏み込んでいる。データを分析するための車載計測器はトランクルーム半分ほどの大きさがあり小型化が喫緊の課題と。これで今の技術レベルがわかる。これがプラスαだ。」

 ―ビジネスや研究にどう活用していますか。

 「大学の動向を継続的に発信してくれる新聞は日刊工業新聞だけだ。プレスリリースを記事として取り上げてくれる確率も高い。自分の研究を社会に発信し、知らしめるのに重宝している」

 ―学生にもっと読んでもらいたいのですが。

 「学生たちが就職する可能性のある企業の情報もたくさん載っている。学生は知らないが財務体質も良くオンリーワンの技術を持っているような中小企業だ。どこで縁が生まれるかわからないし、もっと学生が触れるべき媒体であると考えている。大学側もそこに気付き、学生の目に触れる機会を増やすべきではないだろうか」

―どうもありがとうございました。


【略歴】真島豊(まじま・ゆたか) 1992年東京工業大学博士(工学)、同年東芝入社、96年東京工業大学助手、98年助教授、2002年文部科学省ナノテクノロジー推進専門官(併任)、09年東京工業大学教授、16年応用物理学会理事(兼業)、現在に至る。神奈川県出身、51歳(2016年4月現在)。

【真島豊研究室概要】

名称

東京工業大学フロンティア材料研究所真島豊研究室

代表者

真島 豊氏

所在地

神奈川県横浜市緑区長津田町4259-R3-5 東京工業大学フロンティア材料研究所 すずかけ台R3号館

URL

【東京工業大学HP】http://www.titech.ac.jp/

【真島豊研究室HP】http://www.msl.titech.ac.jp/~majima/

研究内容

次世代フラッシュメモリーの候補の一つである分子メモリーの研究

バックナンバー