わたしの日刊工業新聞 活用法(110)株式会社 原 製作所 代表取締役社長・原 英司 氏
変化の激しい自動車業界の潮流を読む
原 製作所は、主に自動車部品向け樹脂成型品の製造、販売を手掛ける。金型の設計・製作から成形、塗装、組立まで一貫生産体制で対応できることが強みという。2024年10月に父、原正博氏(現会長)からバトンタッチを受け、社長に就任した原英司(はら・ひでかず)氏は、世界的な環境規制や電動化など自動車産業の変化を前に、まずは経営体質の強化に取り組む。そのなかで日刊工業新聞の活用法を聞いた。
-原 製作所の強みは。
「当社は高い精度や安全性を求められるエアバッグなどの保安部品も手掛けている。人の命に関わる部品の製造に携われているのは、顧客である自動車メーカーや自動車部品メーカーなどとの取引で培ってきた信頼あってこそ。国内外に樹脂成型品を手掛ける企業は数多いが、この信頼が当社の最大の強みだと思っている」
-経営体質の強化とは具体的に。
「早急に取り組むのが『公平でわかりやすい人事制度』の構築だ。今いる従業員が安心して、かつ納得して働き続けられる人事制度を作る。樹脂成型品の品質を決めるのは、生産前の機械の調整や工程づくりなどの準備にあり、これらの作業は人が行う。良い人事制度を作ることが、従業員に良い仕事をしてもらうために必要だと考えている」
―日刊工業新聞をどう読んでいるのか教えてください。
「自動車業界に携わる身として、自動車・モビリティー面にはいちばんに目を通す。特に最近では10月に掲載された、『トヨタバッテリー始動』の記事は、トヨタのマルチパスウェイ(全方位戦略)に挑む意欲を垣間見た気分になった。そして次にそのほかの記事に目を通す。さまざまな業界の記事を読みながら、当社にとって、経営のもう一本の柱になりそうな事業はなにか、これを意識しながら読むようにしている」
-今後、日刊工業新聞に求める情報などあれば教えてください。
「中小企業向け助成金の情報をもっと掲載してほしい。また、当社と似た規模の企業の産学連携の事例など、新しい、面白い取り組みを報道してほしい」
-本日はありがとうございました。
【略歴】2000年日産愛知自動車大学校卒。自動車整備会社などを経て08年原 製作所入社。21年取締役営業部長、24年10月代表取締役社長就任。愛知県出身、45歳(2024年12月現在)。
【企業ファイル】
名称 | 株式会社 原 製作所 |
代表者 | 原 英司 |
所在地 | 愛知県刈谷市小垣江町大津崎1番23 |
URL | https://www.hara-ss.net/ |
事業内容 | 樹脂成型製品製造・加工・販売 |
インタビュアー:名古屋支社