わたしの日刊工業新聞 活用法(103)松本システムエンジニアリング株式会社 代表取締役社長・松本 良三 氏
モノづくりの大切な情報源
松本システムエンジニアリングは、林業機械やストレッチ包装機器などの開発、設計、製造販売を一貫して行う。アイデアマンの松本良三社長は、販売店やエンドユーザーのニーズを独自製品の開発や設計に生かし、顧客から高い満足と評価を得る。日刊工業新聞の50年来の読者という松本さんに製品開発の現状や購読活用法を聞いた。
-ユニークな林業機械開発の背景は。
「林野庁が推進する国土の再造林の考え方に沿って、独自技術を活用した新しい林業の展開を目指している。開発成果は毎年、『全国育樹祭記念行事森林・林業・環境機械展示実演会』で展示し実演している」
-最近はどんな林業機械を開発されましたか。
「例えば、テリジノロボは、小型の建機に装着する下草刈り機一体型の植栽機だ。約50CCの水を噴射して地面に開けた穴に水圧で苗を投入。垂直に植栽できる。シン・ラプトルは、登り35度、下り45度の急斜面で立木を伐倒し搬出するロボット。作業現場が見えない状況でも専用ゴーグルの立体映像で確認しながら遠隔操作が可能。林業現場の労働災害の減少につなぎたい」
-50年続く購読のきっかけは。
「独立した20代の頃、最新の機械や部品情報、機械設計を学びたくて、日刊工業新聞と日刊工業新聞社の雑誌『機械設計』の定期購読を始めた。紙面には部品や加工メーカー、装置、素材など情報が満載だ。すみずみまで目を通す。広告も役立つ。例えば部品メーカーが何に力を入れていて何を売りたいのかわかる。切り抜きも欠かさない」
-製品開発にどのように生かすのですか。
「新しいアイデアや発想は、考えてひねり出そうとしても簡単に出てくるものではない。日頃の情報の蓄積が大事だ。インターネットで何かを検索するにしても確かなキーワードが必要だ。日刊工業新聞の情報は信頼できるし、広げると情報の優先順位もわかるし開発に必要なキーワードが目に飛び込んでくる。最新の機械や構造、部品のことを知ることで、さらに優れたモノづくりに生かすことができる。大切な情報源だ」
―本日はありがとうございました。
【略歴】1998年同社設立、佐賀県出身。77歳(23年12月現在)。
【企業ファイル】
名称 | 松本システムエンジニアリング株式会社 |
代表者 | 松本 良三 |
所在地 | 福岡県粕屋郡篠栗町和田5丁目2番25号(福岡東鉄工団地内) |
URL | http://matsumoto814.com/ |
事業内容 | 林業機械・包装設備・製紙設備・環境設備・鍛造関連設備等の製造、販売 |
インタビュアー:西部支社