わたしの日刊工業新聞 活用法(102)株式会社小沢精密工業 代表取締役・小澤 大祐 氏
新分野参入や人材の課題の参考に
小沢精密工業は地元浜松市の地場産業と言える、光学機器や管楽器の部品加工を手がける。事業は堅調に推移しているが、手を緩めずに社内の改革を進めている。経営課題として掲げる新分野への挑戦や人材の採用について日刊工業新聞をどう活用しているか、小澤大祐社長に聞いた。
-足元の受注状況はいかがでしょうか。
「管楽器部品は比較的安定している。もう一方の光学機器部品は引き続き半導体供給の不安定さの影響を受けてはいるが、総じてコロナ禍当時の状況は脱している。ただ強固な事業基盤を築くためには新しい業界の開拓が必要になる。そこで航空機部品への参入を検討し、現在も勉強を続けている」
-社長就任以来、さまざまな改革に取り組んでいるそうですね。
「事業の多角化もだが、『社員が居心地の良い会社に感じること』を重視して組織を変えている。工作機械全台にミストコレクターを設置して工場独特の臭いを抑制したり、自動化で長時間労働を解消したりと従業員の負担を軽減できる投資は惜しまない」
-人事制度や福利厚生も整備しています。
「全ては採用や人材育成を強化するためだ。すでに人材確保は最も困難な経営課題だ。社内の部署は行程ごとに分かれるが、入社後の配属先は自分で決めてもらう。航空機業界に参入できれば選択の幅が広がる。コミュニケーションを活性化するために土曜日出勤日の午後の活動は自由にした。工場敷地内に設置したフットサル場で楽しむ社員も多い。前期は有給休暇の取得率が85%を超えた。居心地の良い会社になれば離職率も下がる」
-日刊工業新聞をどう読んでいますか。
「まずは中小企業の情報が多い中・西・東日本面から読む。規模感や業態の近い会社の動きは参考になる。機械・ロボット・航空機面では参入を目指す業界の動向のほか、現場を改善できる機器の情報に注目している。関連する広告特集内で専門家が執筆した記事にも目を通している」
-人材に関する記事も多く載っています。
「働き方改革や外国人材の採用、評価制度など現在自分の取り組みに通じることが多く、刺激になる。中小企業診断士による『本日も東奔西走』はタイムリーな話題が多く、欠かさず読んでいる」
―本日はありがとうございました。
【略歴】2003年神奈川大学工学部卒、同年浜松ホトニクス入社。13年小沢精密工業社長。静岡県出身、44歳(23年10月現在)。
【企業ファイル】
名称 | 株式会社小沢精密工業 |
代表者 | 小澤 大祐 |
所在地 | 浜松市浜北区染地台6丁目11の10 |
URL | https://www.ozasei.co.jp/ |
事業内容 | 金属の切削、溶接(ロウ付け、半田付け)、研磨(平面研磨、円筒研磨、バフ研磨)などの各種加工 |
インタビュアー:浜松支局