読者インタビュー

2023.07.31

わたしの日刊工業新聞 活用法(98)浜松職業能力開発短期大学校 校長・古内 忍 氏

古内 忍 氏

「次世代型ものづくり人材」を地域に

 2022年度に創立40周年を迎えた浜松職業能力開発短期大学校(ポリテクカレッジ浜松)は、職業能力開発に関わる実施機関としてこれまでに3400人以上の人材を輩出し地域の産業界を支えている。地元静岡県西部地域の中核である自動車産業は世界的な脱炭素や電気自動車(EV)化の潮流を受け、変化を迫られている。大学校が目標とする「次世代型ものづくり人材育成」に日刊工業新聞をどのように活用しているか、古内忍校長に聞いた。

-教育活動について教えてください。

「主に高卒者を2年間で生産現場の即戦力となる人材に育てることが目標だ。修了後の理想像はモノづくりに精通し先進技術にも適応する『実践技術者(テクニシャン・エンジニア)』として定義している。修了生の約9割は静岡県内の企業に就職する。浜松には地域や時代のニーズに沿い、生産機械技術、電気エネルギー制御、電子情報技術の3科を設置している。今後はデジタル変革(DX)やIoT(モノのインターネット)、ロボット・人工知能(AI)など先進技術に対応する教育訓練カリキュラムを準備し、次世代型ものづくり人材を育てたい」

-地域の企業と深くつながっています。

「在職者の訓練はもう一つの大切な事業だ。事業者が抱える人材育成の課題に対応した研修計画の企画と実施、講師の派遣を行っている。毎年900名以上の研修受講生を受け入れるほか、当校の施設設備・機器などの貸与も含め毎年3000名程度に関わっている。また年間延べ600社程度事業所を訪問し、人材育成への要望を探っている。事業所と連携して取り組む『受託・共同研究』という仕組みもある。さまざまな面で課題解決に貢献したい」

-教職員の皆さんはどのように新聞を読んでいますか。

カリキュラムを準備
先進技術に対応したカリキュラムを準備

「全国の産業界の方向性や優良企業の活躍を発見できる。学生の教育訓練カリキュラムや在職者向け教育訓練にどのような情報を盛り込みながら展開していくかという点でも大いに参考にしている」

-在校生の新聞活用はどうでしょうか。

「新聞は当校の図書館で毎日閲覧できる。自分の学習内容が各企業にどう関わっているか、何について知りたいのか探求心を持って読んでほしい。地元産業界であれば、紙面から各自の専門分野である機械関係や電気・電子関連の企業の動向を意識してほしい。各産業界の動向を知り、将来の方向性を固めるきっかけになればいい」

-本日はありがとうございました。


【略歴】1983年雇用促進事業団(現独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構)入団。18年同機構大阪支部支部長、20年同機構本部公共職業訓練部長、21年浜松職業能力開発短期大学校(ポリテクカレッジ浜松)校長。福島県出身、62歳(23年6月現在)。

【企業ファイル】

名称 浜松職業能力開発短期大学校(ポリテクカレッジ浜松)
代表者 古内 忍
所在地 静岡県浜松市南区法枝町693
URL https://www3.jeed.go.jp/shizuoka/college/
事業内容 高校卒業者らを対象に、基礎から専門分野までの技能・技術を教育

インタビュアー:浜松支局

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