わたしの日刊工業新聞 活用法(95)株式会社カマタテクナス 代表取締役社長・鎌田 崇裕 氏
製造業の情報が経営に役立つ
カマタテクナスは、圧縮空気清浄機器メーカー。モノづくりの現場で数多く用いられている空圧機器のコンプレッサーエアーに含まれる水分を除去し正常化する製品を独自に開発して販売する。同様の装置のほとんどに使われるエアフィルター方式ではなく、遠心分離技術を効率良く使う特別な独自技術を採用しているのが特徴だ。日刊工業新聞は20年以上の愛読者という鎌田さんに、独自技術の優位性や購読の活用法を聞いた。
-製品開発の経緯は。
「元々当社は、コンプレッサーのメンテナンス業者。生産現場に直接うかがって、コンプレッサーエアーで発生する水分の除去について、お客さまのお困り事の解決に当たってきた。国内大手空圧機器の販売代理店としては、エアフィルターの設置や定期的な交換も提案した。しかし、エアフィルターだけでは水分の完全除去は難しい。そこで、遠心分離の技術に着目。エアフィルターを使わない独自の水分除去技術の開発に取り組んだ」
-市場性は。
「お客さまから新製品?と尋ねられることもあるが、実は、ロングセラー製品。年間5000台、累計で15万台を販売した。もっとも100万から200万台売れているエアフィルターに比べると数は少ない。しかし、同製品を取り付けると期待通りの性能を発揮するので、『もうこれしかない』といってくださるお客さまもいる。水分がしっかり取れることや、メンテナンスフリーという特徴を持つので、海外も含めて今後まだまだ市場性はある」
-日刊工業新聞は20年以上購読いただいているそうですね。
「大学時代の同級生が働いているということも購読の動機の一つだが、なんといっても経営に役に立っているというのが一番の理由だ。機械業界をはじめとする製造業の情報や動向を知るにはだんぜん日刊工業新聞だ。機械面は必ず目を通す。製造業の動きは売り上げに直結するからだ。例えば工作機械主要メーカーの売り上げや四半期の動向など。企業のトップや業界のキーマン、識者のコメントも近未来予測の参考になる。心の準備や数カ月後の自分なりの答え合わせもできる。最近で言えば、コロナ禍における製造業が受ける影響や対策の関連記事は大いに参考になった」
-日刊工業新聞に要望はありますか。
「業界別の動向や見通しが紙面に出ているが、数年単位でまとめた業別データのような形で商品化してほしい。プレゼンテーションや事業計画書作成、金融機関から融資を受けるための資料づくりに役立つ」
-本日はありがとうございました。
【略歴】1988年駒澤大経済学部卒。92年カマタコンプレッサ(現カマタテクナス)入社、04年社長。福岡県出身、58歳(23年4月現在)。
【企業ファイル】
名称 | 株式会社カマタテクナス |
代表者 | 鎌田 崇裕 |
所在地 | 福岡市博多区三筑1丁目1–25 |
URL | http://www.kamatatecnas.co.jp |
事業内容 | 圧縮空気清浄器製造・販売 |
インタビュアー:西部支社