わたしの日刊工業新聞 活用法(86)曙工業株式会社 代表取締役社長・杉山 明隆 氏
記事掲載 事業拡大に弾み
曙工業は主に自動車向け試作・量産品の加工を手がける。地元の愛知県三河地方は自動車産業の集積地として成長を続けてきたが、電気自動車(EV)シフトの波が押し寄せてきた。これを受け、半導製造装置向け事業拡大に乗り出した。日刊工業新聞が役立っているのか、代表取締役社長の杉山明隆さんに聞いた。
―自動車関連の受注状況はいかがでしょうか。
「現時点で極端に量産品が減ったということはないが、試作品は減りつつある。開発予算がガソリンエンジン以外に振り向けられているのではないかと感じる。それだけに、今から変化に備えなければならない」
―その一環として半導体製造装置向け事業の拡大を打ち出しましたね。
「半導体関連は20年ほど前から実績はあるが、本格的に取り組む。このため6月に横型マシニングセンター(MC)を新規導入した。大型の真空チャンバーを製造できるようになったほか、生産性も3割高まる。半導体産業は引き続き好況が続くと見ている。現在の半導体関連の売上高比率は2―3%だが、需要を取り込んで3年後には10%に引き上げたい。自動車関連に次ぐ経営の柱に育てる」
-日刊工業新聞は半導体関連の情報収集に役立ちますか。
「役立っている。例えば半導体関連は九州に産業集積があるので、これから半導体業界が九州を中心にどう動いていくのか、その動きに中堅・中小企業がどう対応するのかを注視している」
-日刊工業新聞のどこに魅力を感じていますか。
「モノづくりを軸とした世の中の流れが最もわかる新聞であることだ。中小企業の動きもよく見える。同業他社がどの業界を狙ってどのような設備投資をするのか、投資額に対してどれぐらいの売り上げ目標を掲げているのかといった記事に興味がある。特に当社と企業規模が同じ中小企業の決断は、経営者として参考になる」
-日刊工業新聞での情報発信や異業種交流にも積極的ですね。
「横型MC導入の記事が掲載された時は大きな反響があった。既存顧客はもとより、取引がなかった企業からも問い合わせがあり、事業拡大に弾みがついた。また異業種交流では日刊工業新聞社が事務局を務める『名古屋産業人クラブ』に参加している。さまざまな業界の経営者との交流は刺激になり、勉強になることが多い」
-本日はありがとうございました。
【略歴】1998年愛工大工卒。07年曙工業入社、11年取締役、15年社長。愛知県出身、46歳(22年6月現在)。
【企業ファイル】
名称 | 曙工業株式会社 |
代表者 | 杉山 明隆 |
所在地 | 愛知県安城市里町南歌口55-1 |
URL | http://www.akevono.co.jp/index.html |
事業内容 | 自動車・産業機械部品の量産・試作加工 |
インタビュアー:名古屋支社