わたしの日刊工業新聞 活用法(78)株式会社野田スクリーン 代表取締役社長・野田 拓哉 氏
「社説」で大局観を養う
野田スクリーンは半導体などの電子部品を実装するプリント配線板の加工を主力とし、日中台でグローバル展開している。足元ではスマートフォンやパソコン、自動車向け需要が伸び、受託案件が積み上がっている。2020年8月に就任した4代目社長の野田拓哉さんに、日刊工業新聞の活用法などを聞いた。
-第5世代通信(5G)やデジタル変革(DX)を受け、電子部品を高密度に実装できる多層基板や半導体パッケージ基板の需要が急伸していますね。
「スクリーン印刷によって多層基板の層間の導電用の穴に樹脂・金属ペーストを充填した後、表面を平滑研磨するといった加工を受託している。旺盛な需要を受け、多忙を極めている」
-社長就任1年目でうれしい悲鳴ですね。
「もう精いっぱいの状況だ。一部の工程にもっと自動化できる余地があるので、設備増強を検討している。採用活動も活発化し、人員確保を急いでいる」
-自動化に向けて日刊工業新聞は参考になりますか。
「他社がどのような取り組みをしているのか、どのような自動化設備があるのか、『機械・ロボット・航空機面』や『電機・電子部品・情報・通信面』に掲載されている事例や製品などを参考にしている。また取引先などから『材料を調達できない』といった声を聞くので、『商品市況面』もチェックしている。現時点で当社に影響はないが、情報収集を怠らないようにしている」
-お気に入りの連載や企画はありますか。
「必ず『社説』を読んで大局観を養っている。プリント配線板加工事業は創業者である父が始めた。父が急逝し、バトンを受け継いだ2人の社長がフッ素コーティング剤などの化成品事業を軌道に乗せた。私の代で第3の柱を立ち上げたい。社説で説かれているモノづくり産業の未来や企業のあるべき姿を意識し、経営判断を誤らないようにしたい」
-どのような柱を育てるのかが楽しみです。
「29年に創業50周年を迎えるので、理念である『野田スクリーンの原点は日々のモノ作りで流す汗、そこから生まれる独創的なアイデアである』を守りつつ、新事業に挑戦する。そのためにもモノづくりや人材などのさまざまな面で会社を強くしたいし、それが使命だと思っている」
-本日はありがとうございました。
【略歴】1990年愛知県立瀬戸北高卒。91年野田スクリーン入社。05年取締役、14年常務、19年副社長、20年社長。愛知県出身、49歳(21年11月現在)。
【企業ファイル】
名称 | 株式会社野田スクリーン |
代表者 | 野田 拓哉 |
所在地 | 愛知県小牧市大字本庄字大坪415番地 |
URL | https://www.nodascreen.co.jp |
事業内容 | プリント配線板加工事業・化成品事業 |
インタビュアー:名古屋支社