読者インタビュー

2021.10.29

わたしの日刊工業新聞 活用法(77)株式会社藤井製作所 代表取締役社長・藤井 秀美 氏

藤井 秀美氏

リスクに備えて情報収集

 藤井製作所は2022年に創業70周年を迎える。金属と樹脂に関する技術力を生かし、電子部品や自動車内装用部品、医療用鋼製小物などを手がける。経済産業省が選定する「地域未来牽引企業」として、地元の大学との産学連携にも取り組む。代表取締役社長の藤井秀美さんに日刊工業新聞の魅力などを聞いた。

-自転車のブレーキ製造で創業し、この間、金属と樹脂の技術力を磨いてきました。

 「金属は精密プレス加工、樹脂は押出成形が強み。両技術を生かし、金型内で金属部品と樹脂を一体化する金属インサート成形にも対応している。社是に『信用は無限の資本なり』を掲げている。多彩な技術で顧客の困りごとを解決し、信用を積み上げてきた」

-産学連携にも熱心ですね。

 「持続的に成長するには、一企業の力だけでは限界がある。日本大学生産工学部、千葉大学工学部と共同研究した『自動車用ウェザーストリップコアの高精度圧延技術』で、19年度に日本塑性加工学会の技術開発賞を受賞した。ドアや窓から雨、ホコリが浸入するのを防ぐウェザーストリップに挿入されているメタルコアの製造に関する技術で、軽量化に成功した。今後も積極的に産学連携したい」

-新型コロナウイルス感染症の影響はありますか。

 「一時的にダメージを受けたが、20年10月頃から受注が回復し、現在は堅調に推移している。受注の伸びに合わせて、人・設備・拠点に投資し、デジタル変革(DX)で生産性を向上したい」

-日刊工業新聞のどこに魅力を感じていますか。

金属・樹脂製の各種部品
金属・樹脂製の各種部品

 「新型コロナのパンデミック(世界的大流行)をはじめ、地震や豪雨などの自然災害もある。想定外のリスクに備えなければならない時代だ。それだけに情報が大切だと強く感じている。日刊工業新聞は産業界の情報を幅広く取り上げているし、全国の中小企業の情報が満載なのが魅力だ。また記事から現場を大切にしている姿勢が伝わり、好感が持てる」

-リスクを乗り越えるには、人材が欠かせませんね。

 「人材確保は重要課題の一つ。このため、『マネジメント面』で毎週火曜日に連載している『ほしい人材×育てる人材』を楽しみにしている。ほしい人材は画一的ではないし、育て方もさまざま。企業と大学の個性、考え方が興味深い。参考にすることも多い」 -本日はありがとうございました。

-本日はありがとうございました。


【略歴】1975年明大経営卒、同年東京都民銀行(現:きらぼし銀行)入行。82年藤井製作所入社、90年専務、96年副社長、98年社長。東京都出身、69歳(21年10月現在)。

【企業ファイル】

名称株式会社藤井製作所
代表者藤井 秀美
所在地千葉県柏市高田1116-46
URLhttp://www.fujiiss.co.jp/
事業内容金属加工、樹脂成形

インタビュアー:本社販売局

バックナンバー