わたしの日刊工業新聞 活用法(71)株式会社羽野製作所 取締役社長・山下 勝也 氏
成長分野の情報 参考に
羽野製作所は九州・福岡の金属製ネームプレート加工業者として、1950年に産声を上げた。エレクトロニクス産業の発展とともに歩を進め、創業70周年を迎えた現在、電子機器や高密度・高多層プリント配線基板の開発・設計から製造までを一貫して手がけている。取締役社長の山下勝也さんに、日刊工業新聞の活用法などを聞いた。
-きめ細かい開発支援体制が強みですね。
「電気・ソフトウエア・機構の3分野の専門技術者による支援体制を整えており、さまざまな相談にワンストップで対応できる。仕上がりのイメージのミスマッチもない。モノづくりからスタートしたこともあり、相手の気持ちをくみ取れるのも強みだ。初期段階の開発から参画し、製造、検査、出荷までを一括受注できる」
-自社ブランドの磁界測定器も展開していますね。
「例えばリニアモーターカーや電気自動車(EV)、送電線、工場などから生じる磁界を測定するのに用いる。自社製品の売り上げは受託開発や製造に比べてまだ小さいが、今後に期待している。磁界測定器のほか、小型風力発電向け制御機器を製品化した実績もある」
―日刊工業新聞をご愛読いただいていますね。
「顧客のすそ野が広いため、さまざまな業界の情報が載っているのがありがたい。特に仕事上でかかわりのある会社の記事は必ず読んでいる。皆が手にとれるように開発部のフロアに置き、読んでおいてほしい記事を伝えるようにしている」
-記事は参考になりますか。
「成長分野である通信や半導体に関する記事を参考にしている。先端技術はもとより、加工技術や材料関連の記事も興味深い。新製品などの"モノ"にもアンテナを張っている。これからも読み続け、社が力をつけていくために活用したい」
-新聞のどこに魅力を感じていますか。
「知りたいことが明確な時は、やはりインターネットが効率的だ。一方、紙媒体の良いところは、思ってもみなかった情報と出会えること。そこにメリットがあり、検索して得る情報との大きな違いがある。情報収集の幅を広げるため、紙媒体は貴重だ」
―本日はありがとうございました。
【略歴】1991年東大院工学系研究科物理工学専攻修了。富士通研究所、アジレント・テクノロジーを経て、09年に羽野製作所入社。18年社長。佐賀県出身、55歳(21年5月現在)
【企業ファイル】
名称 | 株式会社羽野製作所 |
代表者 | 山下 勝也 |
所在地 | 福岡市東区筥松1-1-12 |
URL | https://hano-ss.co.jp |
事業内容 | プリント配線基板製造、電子機器開発 |
インタビュアー:西部支社