わたしの日刊工業新聞 活用法(67)アップコン株式会社 代表取締役社長・松藤 展和 氏
中小の情報 営業に役立つ
コンクリートをアップするからアップコン。これを社名に冠したアップコンは、地震や地盤沈下で傾いたり、たわんだりしたコンクリート床を、ミリメートル単位の平面度で修正する独自工法を展開する。〝ライク・ア・プロフェッショナル・スポーツ・チーム〟の世界観を描き、一人一人がプロの自覚を持って働く。創業者で代表取締役社長の松藤展和さんに日刊工業新聞の魅力などを聞いた。
-独自の「アップコン工法」の特徴を教えてください。
「沈下・段差・傾き・空隙が生じたコンクリート床に直径16㍉㍍の穴を開け、レベルを常時監視しながら硬質発泡ウレタン樹脂を注入する。樹脂の発泡圧力で床を押し上げて修正する。床を壊さないため、打ち替えに比べて工期が短い。例えば操業中の工場でも施工できる」
-それは魅力的ですね。やはり製造業からの受注が多いですか。
「コロナ禍を受けて『操業率が低い間に気になっていたところを修正してほしい』といった引き合いも受けた。だが、需要は工場だけではなく、住宅から公共施設、インフラまで幅広い。熊本県の7月豪雨では道路補修工事を手がけた。契約先から感謝状をいただき、頼りにされていると手応えを感じた」
-世界観がとてもユニークですね。ロゴマークもプロサッカーチームみたいです。
「チーム力を発揮し、この業界で日本代表になるとの思いを込めた。技術部員は1チーム4人で、それぞれが測量・削孔・注入のどの作業にも対応できる体制だ。だからこそ効率よく施工できる。ロゴには47個の矢印をデザインした。日本全国で困りごとを解決することを表現している」
-日刊工業新聞はビジネスに役立っていますか。
「産業界の有益な情報ばかりで、営業などに役立てている。他紙が取り上げず、インターネットにも掲載されていない中小企業の活動もよく取材している。また海外事業を拡大する計画で、ベトナムの企業と業務提携を結んでいる。このため、ベトナム関連の記事に注目している」
-日刊工業新聞に道路補修工事などの記事が掲載されました。反響はありましたか。
「取引先などから『載っていたね。読んだよ』といった連絡がたくさんあった。アップコン工法のほか、農業用水路トンネル補修法『FRT工法』や土壌改良材『ナテルン』を展開しているが、まだ知名度が低い。訴求力の高い日刊工業新聞を通じて知名度を高めたい」
-本日はありがとうございました。
【略歴】1985年武蔵工大(現東京都市大)卒、88年米プラット・インスティテュート大学院ファインアートインテリアデザイン学科修士課程修了。豪設計事務所を経て01年に外資系土木会社の日本法人設立。03年アップコン設立。福岡県出身、62歳(20年12月現在)
【企業ファイル】
名称 | アップコン株式会社 |
代表者 | 松藤 展和 |
所在地 | 神奈川県川崎市高津区坂戸3-2-1 KSP東棟611 |
URL | http://www.upcon.co.jp |
事業内容 | 土木工事業及び建築工事業、コンクリート床スラブ沈下修正工法「アップコン」による施工・施工管理 |
インタビュアー:販売局