読者インタビュー

2020.10.30

わたしの日刊工業新聞 活用法(65)株式会社瀬戸内クラフト 代表取締役・横田 深 氏

代表取締役 横田 深 氏

紙面をくまなくチェック

 瀬戸内クラフトは金型補修のプロフェッショナル集団だ。摩耗したり、腐食したりして欠損した部分に溶かした金属を盛り上げ、よみがえらせる。この肉盛り溶接と呼ばれる技術に特化し、より正確に、より早くにこだわる仕事ぶりで、顧客の信頼を得ている。創業者で代表取締役の横田深さんに、日刊工業新聞の活用法などを聞いた。

―YAGレーザー溶接機による超精密な肉盛りが高く評価されていますね。

 「YAGレーザー溶接機はレーザー発振器から出るレーザー光線をレンズで集光することで、焦点に高密度・高温のエネルギーを生む。虫眼鏡で太陽光を集光し、黒い紙を焼いて小さい穴を開けるのと同じ仕組みだ。微細な部分は顕微鏡をのぞき込み、最小直径0.1㍉㍍の溶接線材を溶かして肉盛りする。細心の注意と根気が必要で、気の遠くなるような作業だが、自動化できないからこそ、やりがいがある」

―熟練の技が求められますね。新型コロナウイルス感染拡大の影響はありますか。

 「本社を置いている中国地方に専業の会社が2社しかないこともあり、8月までは仕事量が減らなかったが、足元では若干減ってきた。だが、自動車や半導体、医療機器の精密部品向け射出成形用金型 などの補修がなくなることはない。また船舶用部品などの金型以外の補修需要も開拓している。受注のすそ野を広げて仕事量を確保したい」

ミニチュアの竜
レーザー溶接で製作したミニチュアの竜

―日刊工業新聞は事業に役だっていますか。

「モノづくり業界や製品の記事を読み、事業展開の参考にしている。いつも最終面の『深層断面』に目を通し、次に『西日本面』、『東日本面』へとページをめくり、最後に1面を読む。1面のインデックスで読み落とした記事がないかを確認し、あればその面に戻って読んでいる。こう読むことで、役立ちそうな情報があるか、紙面をくまなくチェックする。また広告特集にも必ず目を通している」

―お気に入りの連載や企画はありますか。

 「各面の左下にあるコラムが好き。社長らの仕事に対する考えや思いなどがつづられていて興味深い。知り合いの社長が掲載されていたら、電話やメールで『日刊工業新聞に載っていましたね』などと連絡を入れる。とても話が弾む」

―本日はありがとうございました。


【略歴】1987年東岡山工業高校卒、同年テクノサービス入社。
    07年瀬戸内クラフト設立。岡山県出身、52歳(20年10月現在)。

【企業ファイル】

名称株式会社瀬戸内クラフト
代表者横田 深
所在地岡山県瀬戸内市邑久町下笠加602-5
URLhttp://www.laserwelding.co.jp
事業内容レーザー溶接機による金型などの肉盛り補修

インタビュアー:岡山支局

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