読者インタビュー

2018.10.01

わたしの日刊工業新聞 活用法(41)矢口製作所 代表取締役社長・川名 一嘉 氏


「新聞には “気づき” がある」

  矢口製作所は1948年の創業以来、歯車を用いた製品の設計・製造を手がける。タンクローリー用ポンプ、車両運搬車用ウインチ、消防車用真空ポンプなどの特装トラック向け機能性ユニット部品が主力だ。5代目社長の川名一嘉さんに、日刊工業新聞の活用法などを聞いた。

  ―経営革新計画でスマートファクトリー化を掲げました。

 「従業員に対し『3年後、5年後にどんな会社にするか』というビジョンを示した。スマートファクトリー化は工作機械メーカーから提案を受けて決断した。既存の工作機械はそのままで、人工知能(AI)やIoT(モノのインターネット)の機能を後付けする。帳票を電子化してペーパーレス化したり、在庫・品質管理をデータ化したりする計画だ。生産だけではなく、営業の効率化につながる。日刊工業新聞で他社の導入事例などの情報も収集している」

 ―人材面ではアスリートを採用しました。どのような狙いがあるのでしょうか。

 「2022年の北京冬季五輪出場を目指すアルペンスキー選手を採用した。油まみれになりながら作業するアスリートの姿は、皆に刺激を与えている。従業員の一人一人が、自分は何を目指すのかを見つめ直し、意識改革する機会になる」

 ―日刊工業新聞はビジネスの役に立っていますか。

食品タンクローリー用のサニタリーポンプ

 「まず1面から最終面までの見出しを確認し、事業に関連がありそうな記事を読む。自動車業界や工作機械業界の動向、新しい工具や材料、加工法などのニュースもチェックしている。問い合わせをして採用した工具もある。また中小企業の経営に関する記事も読んでいる。『うちも同じような悩みを持っていたな』などと感じ、『自分も頑張ろう』という気持ちになる」

  ―中小企業の活動は千差万別です。それだけに経営方針や事業の発想、苦労などが参考になりますね。

 「今まで気づいていなかったことを、気づかせてくれる。これが新聞の魅力のひとつ。インターネットは能動的に情報収集するのに便利だが、気づきは得にくい。日刊工業新聞を読んでいると『あぁ、これはうちでも採用できるな』といった気づきがある」

  ―これからも役立つ情報を発信します。本日はありがとうございました。


 

【略歴】  川名 一嘉(かわな・かずよし) 1987年国学院大学卒。同年矢口製作所入社。97年取締役、06年代表取締役社長。東京都出身、54歳(18年9月現在)

 【企業ファイル】

名称

株式会社矢口製作所

代表者

川名 一嘉氏

所在地

埼玉県所沢市東狭山ヶ丘6丁目725番地3

URL

http://www.yaguchi-ss.co.jp/index.html

事業内容

特装トラック用ポンプ・ウインチ・増減速機等の 設計・製造・販売

インタビュアー:本社販売局企画調査部

 

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