読者インタビュー

2024.03.28

わたしの日刊工業新聞 活用法(106)大弥精機株式会社 代表取締役・松原 正基 氏

松原 正基 氏

市場や協力会社の探索に

 大弥精機は工作機械の加工ヘッドの主軸であるスピンドルのオーダーメードやオーバーホールを手がけている。技術力が評価されてスピンドルの採用先が拡大し、工作機械に限らずさまざまな業界と関わりがある。今後の展開や日刊工業新聞の活用法について、松原正基社長に聞いた。

-工作機械以外にも多様な産業機械と関わりがあるそうですね。

「スピンドルの主な納入先は工作機械だが、他にも半導体製造装置やコンクリートを切断する機械にも採用されている。昨今伸びているのは砥石の回転試験機用スピンドルだ。機械加工の使用時を大幅に上回る回転数で砥石を回して耐久性を確認するため、特殊なスピンドルが必要になる。どのような用途であっても顧客が必要とするスピンドルを提供したい」

-スピンドルの修理にも注力しています。

「メーカーとしての40年以上の実績を生かし、自社だけでなく他社製品や海外製品でも引き受けている。機械メーカーの修理業務も受託している。修理事業の強化を打ち出した際には、報道や宣伝で日刊工業新聞を活用し業界への認知度が高まった」

-事業の多角化として十割そば製麺機を製造販売しています。

「スピンドルの技術を応用して装置を開発した。コシの強い十割そばが簡単に打てる。コンパクトで操作も簡単なため容易に導入できる。製麺機で製造したそばを提供する実店舗も経営している。長野県のそば農家と連携した『六次産業化』にも貢献したい」

―読者として日刊工業新聞をどのように役立てていますか。

ユーソニック
スピンドルをオーダーメードで提供する

「スピンドルの新しい応用領域を探すため、機械メーカーの記事に注目している。我々は顧客ごとに設計してスピンドルを製造するため、性能やコスト面で要求に見合う部品の調達が欠かせない。自社製造や近隣企業だけではなく協力会社を広域で必要になるため、新聞に掲載されている全国の企業の動向が参考になる」

-気になる記事はありますか。

「全国の六次産業化の事例を紹介する記事にも注目している。各地での生の情報は非常にありがたい。これからも新聞は社会の中で新しい技術や市場を探索する『インデックス』の役割であってほしい」

-本日はありがとうございました。


【略歴】1997年静岡大学大学院電子科学研究科博士号取得、同年大弥精機入社。04年社長。静岡県出身、55歳(24年2月現在)。

【企業ファイル】

名称 大弥精機株式会社
代表者 松原 正基
所在地 静岡県磐田市東名64
URL http://www.daiya-eng.co.jp/index.html
事業内容 スピンドルや工作機械部品、食品機械の製造販売

インタビュアー:浜松支局

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