わたしの日刊工業新聞 活用法(85)三島金型株式会社 代表取締役・佐竹 禎行 氏
スクラップで記憶に残す
三島金型は高度なプラスチック成形技術を誇る。プラスチックと金属部品を一体化するインサート成形をはじめ、流動・変形解析を駆使した金型設計・製作により、多種多様な精密部品を手がけてきた。ノウハウを生かし、自社製品の開発にも挑戦している。代表取締役の佐竹禎行さんに日刊工業新聞の魅力などを聞いた。
―リチウムイオン電池向け絶縁ガスケットが主力ですね。電池は成長が見込める分野です。
「電池関連は一時期、民生用が減少したが、それを受けて製造設備や作業手順を見直し、生産効率を上げた。多品種少量部品が多く、利益率が低いといった課題も解消した。蓄電池関連は安定受注が見込めるため、先行きも見通しやすい」
―自社製品の開発にも熱心ですね。
「これまでに小型動物実験用の経口チューブやゴルフのドラコン専用ティー『ホークティ』などを製品化した。現在は漆塗りのアクリル製リングケースを開発している。自分でデザインできるのが特徴だ」
-ユニークな製品ですね。
「ECサイトにデザイン機能がある。具体的には漆芸家である鈴木雅也(三代鈴木表朔)の漆絵と好みの写真を人工知能(AI)で合成する仕組み。仕上がりは3D画像で確認できる。2023年1月に東京・ビッグサイトで開かれる『国際宝飾展』に出展し、受注を開始する予定。塗師やデジタルの専門家らと詳細を詰めている」
-日刊工業新聞は事業に役立っていますか。
「デジタル関連の記事が役に立っている。必要な記事はスクラップすることで記憶に残るようにしている。最近、気になっているのが人物写真。日刊工業新聞にはインタビューなどでさまざまな人が登場している。どの方も表情や服装などから強い意志やブランディングを感じるので興味深い」
-日刊工業新聞のどこに魅力を感じていますか
「日刊工業新聞は業種・分野別に紙面構成されているので、時間がない時でもさっと目を通して情報収集できる。また新聞社が記事にしているということは、そのニュースが時代のニーズを映していたり、世の中の最先端や数歩先を走っていたりしているから。産業界のそうした情報が多面的に載っているので、開くと何らかの発見があることも魅力だ」
-本日はありがとうございました。
【略歴】1985年大阪工業技術専門学校機械工学科卒、同年太陽機械入社。93年三島金型入社、97年社長。大阪府出身、57歳(22年5月現在)。
【企業ファイル】
名称 | 三島金型株式会社 |
代表者 | 佐竹 禎行 |
所在地 | 大阪府摂津市別府1-14-17 |
URL | http://mishimakanagata.co.jp/ |
事業内容 | プラスチック成形、金型設計・製作 |
インタビュアー:西日本支社