読者インタビュー

2021.01.29

わたしの日刊工業新聞 活用法(68)エービーシーエンジニアリング株式会社 代表取締役・山岡 恒博 氏

代表取締役 山岡 恒博 氏

新聞を読んで〝自己啓発〟

 エービーシーエンジニアリングは、産業機械用電気制御装置の設計・製造から据え付けまで一貫対応している。近年はロボット高圧洗浄機が伸長。また電解次亜塩素酸水生成装置も開発し、事業のすそ野を広げている。創業者で代表取締役の山岡恒博さんに日刊工業新聞の活用法を聞いた。

―主力の電気制御装置が堅調に推移していますね。

 「顧客が組み立てラインにロボットを導入したり、フレキシブルライン化したりすることに応じて開発している。『お客様のため、社会のため、社員のため』を掲げ、技術的に難しい仕事であればあるほど逃げない姿勢を貫いてきた。その結果、技術力が上がり、自動車のほか、鉄道や建設機械、製鉄などの幅広い業界との取引が生まれている」

―ロボット高圧洗浄機も好評ですね。

 「もともとは顧客からの『こんなモノをつくってほしい』との要望を受けて開発した。栗東工場(滋賀県栗東市)に洗浄技術センターを置き、自動車エンジン向けにライン組み込み型やスタンドアロン型などを展開している。電気制御装置に次ぐ事業の柱に成長しつつある」

―次亜塩素酸水は実際の成分や安全性が不明な商品も見受けられるといったニュースがありました。

 「当社製は有効塩素濃度300ppmで、除菌・消臭効果が高い。また水素イオン指数(pH)6-8と中性のため、肌にも優しい。機械商社のマルエム商会と共同で、製造業や養豚・養鶏場向けなどに販売しており、手応えを感じている。もちろん、当社の生産現場でも使っている。次亜塩素酸水だけではなく、生成装置の受注も視野に入れて事業展開し、第3の柱にしたい」

―日刊工業新聞は事業に役立っていますか。

ロボット高圧洗浄機
ロボット高圧洗浄機

 「モノづくり情報が豊富なため、とても役に立っている。制御技術の高度化は社員や取引先との出会いが原動力だが、記事がヒントになったこともあった。また有力企業の戦略や変遷などを取り上げる長期連載も好き。経営の参考になる。私は理系で技術関連の記事に興味があるので、大学や研究機関の最新情報が載っている科学技術・大学面も必ず読んでいる」

―若者らの新聞離れが進んでいますね。

 「新聞を読むことは自己啓発の一つだと思っている。記事をスクラップし、社員にも読ませている。日刊工業新聞は、ほかの新聞や雑誌に比べてスクラップ数が多い。新たな技術、製品、会社との出会いに期待し、毎日楽しみにしている」

―本日はありがとうございました。


【略歴】1970年新居浜高専電気工学科卒、同年立花商会(現立花エレテック)入社。78年山岡電機工業設立。88年エービーシーエンジニアリング設立。愛媛県出身、72歳(21年1月現在)

【企業ファイル】

名称エービーシーエンジニアリング株式会社
代表者山岡 恒博
所在地大阪府摂津市鳥飼上5-7-35
URLhttp://www.abc-eng.com/
事業内容産業機械用電気制御装置、ロボット高圧洗浄機などの設計・製作

インタビュアー:大阪支社

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