わたしの日刊工業新聞 活用法(66)株式会社エヌジェイシー 代表取締役・山﨑 康智 氏
ITでモノづくりを応援
エヌジェイシーは中小企業向け業務システム開発・販売を手がける。経済産業省が認定する情報処理支援機関「スマートSMEサポーター」として、人工知能(AI)やIoT(モノのインターネット)で〝人の負担を減らす新しい形〟を提案し、中小製造業の働き方改革を後押し。社長の山﨑康智さんに、日刊工業新聞の活用法などを聞いた。
-中小金属加工業向け生産計画管理システム『だん助プロ』が好評ですね。
「AIが工程負荷を予測し、自動で生産計画を策定するソフトで、IoTによる進捗管理などの機能も搭載しており、引き合いが相次いでいる。プレス・板金加工、機械加工業に適したシステムとして提案し、受注を積み上げたい。このほか宅配業務管理システム『Qデリ』も高く評価されており、1200社超の導入実績がある」
-中小製造業のIT投資は堅調ですね。
「設備更新だけでは効率化に限界があるとの認識が広がっている。中小は多品種少量生産が求められるが、働き方改革が叫ばれる中、残業で乗り切る時代ではなくなっている。人手不足も深刻だ。それだけにIT化への関心が高まっている」
-ITツールで中小のモノづくり、働き方改革を応援しています。
「中小のIT化は遅れているのが実情で、その背景にはおそらく生産能力増強や品質向上に直結する設備投資に集中してきたことがある。しかし、だからこそ中小の技術力は高い。IT化によって経営はもっと強くなる。最近、我々のようなソフト屋と現場との距離が縮まってきたと感じる。何をどう導入したら業務改善につながるのか、これからも懐に深く入って一緒に考えたい」
-日刊工業新聞はビジネスに役立っていますか。
「IT業界と製造業では使っている言語が異なる。できるだけ製造業の言葉で打ち合わせするようにしているため、新聞の表現はとても役立っている。また肌感覚の景況感と、新聞に掲載されている業界統計や経営者の声を照らし合わせることで、現状を正しく認識できる」
-記事は参考になりますか。
「AIやIoT、第5世代通信(5G)などのデジタル技術とモノづくりを融合させた取り組みが参考になる。今後もこうした事例を読みたいし、わが社の情報も発信したい。『記事が載っていたね』と声をかけられる時もあれば、その逆もある。まるでインターネット交流サイト(SNS)のようなコミュニティーが形成できているようでうれしい」
-本日はありがとうございました。
【略歴】1987年にエヌジェイシーを創業し、10年に法人化。
鳥取県出身、53歳(20年11月現在)。
【企業ファイル】
名称 | 株式会社エヌジェイシー |
代表者 | 山﨑 康智 |
所在地 | 金沢市古府町南300-2 |
URL | https://www.g-cm3.com/ |
事業内容 | 中小企業向け業務システム開発・パッケージ販売 |
インタビュアー:金沢支局