わたしの日刊工業新聞 活用法(53)株式会社ラピート 専務取締役・重友 祥吾 氏
業界特集・広告も情報源
ラピートは自動車の車体骨格部品などの試作板金を手がけている。金型設計から製品製作までを内製化しており、多品種少量品を一貫生産できるのが強み。現物から3Dモデルを作成するリバースエンジニアリングにも対応している。近年は熱可塑性強化複合材料の成形事業に力を入れており、新たな柱に育てる考えだ。専務取締役の重友祥吾さんに日刊工業新聞をどう役立てているのかなどを聞いた。
―日刊工業新聞のどこに魅力を感じていますか。
「興味深い記事が多く、新しいことをいろいろ知ることができるのが魅力だ。日刊工業新聞を購読している取引先も多いので、会話を盛り上げる材料にもなっている」
―どのような記事に興味を持っていますか。
「手がけている試作品の8割は、自動車関連が占めている。このため、自動車面は必ず読む。熱可塑性強化複合材料の成形事業にも乗り出したので、素材面の記事も注意深く読むようになった。自動車面や素材面だけではなく、1面から最終面まで目を通している」
―成形事業では、炭素繊維強化熱可塑性プラスチック(CFRTP)製とガラス繊維強化熱可塑性プラスチック(GFRTP)製の自動車ホイールが、「コンポジットハイウェイ・アワード2018」の製品部門の準グランプリに輝きました。これからが楽しみですね。
「熱可塑性強化複合材料の成形は、材料メーカーなどと一緒に取り組んでいる。樹脂とカーボンやガラス繊維の配合などを調整し、顧客の求めに応じて重量や強度などの機能を引き出す。受賞したCFRTP製ホイールは、純正アルミホイールに比べて約46%の軽量化を果たした。またプレス工法を用いた一発一体成形により、成形サイクルの短縮化や量産性の向上を実現した。ただ熱可塑性強化複合材料は高価なため、採用の本格化はこれからと見ている」
―日刊工業新聞は情報収集に役立っていますか。
「新製品の記事がたくさん掲載されており、参考になる。また当社の試作品が採用されている新製品が掲載されていることがあり、こうした時はとてもうれしい。記事だけではなく、業界特集や記事下の広告も参考にしている。当社だけでは対応できないような仕事を受注した際、広告を見て外注先を探すこともある。岡山県内であれば、ある程度の情報を持っているが、県外となると知らない企業がたくさんある。企業情報が豊富なので助かっている」
―本日はありがとうござました。
【略歴】2010年ラピート入社。16年専務。岡山県出身、32歳(19年10月現在)。
【企業ファイル】
名称 |
株式会社ラピート |
代表者 |
重友 卓郎 |
所在地 |
岡山県赤磐市小瀬木50-19 |
URL |
http://www.rapiit.com/ |
事業内容 |
自動車骨格部品などの試作板金、熱可塑性強化 複合材料の成形 |
インタビュアー:岡山支局