読者インタビュー

2016.10.18

わたしの日刊工業新聞 活用法(13) 明大会長・小河原通弘さん

「製品開発や設備改良に役立つ」  

 明大は主力の繊維スリングをはじめ特殊織物をベースに独創的な製品を数多く送り出してきた。近年は道路の補強・排水用のジオテキスタイルや建築用耐震補強素材まで手掛ける。1989年には世界で初めて縦横2軸と斜め2軸の4方向に糸を織り込む四軸織物織機を開発し、2003年から航空宇宙産業をはじめ多方面に新素材を供給している。14年には岡山県経営革新アワードを受賞するなど、まさに倉敷を代表する特殊織物の開発型企業だ。会長の小河原通弘さんに日刊工業新聞の活用法を聞いた。

-日刊工業新聞との出会いはいつでしょう。

 「購読を始めたのは1975年に繊維スリング(重量物の持ち上げ吊り具)の『ロックスリング』を独自開発し、発売して5年ほど経ってからだろうか。当時から世の中にない製品を作り出す開発型企業を指向していたため情報収集が目的だった。新製品や最新技術の動向に関する記事のほか、経営者個人の話が載っているコラムが参考になった。購読から2年ぐらいして広告出稿も始めた。ウチは営業マンがおらず、広告がその代わりになると思ったからで、現在も継続している」 

-どのような効果がありましたか。

 「一番うれしかったのは販売店を訪ねた時、先方に製品名を告げると広告を見ていてくれたようで『ロックスリングを作っているのは御社でしたか。ブランド品ではないですか』と好意的な反応が返ってきた時だ。ブランドとして認識してもらっていたのは、新聞広告を継続していたおかげだと思っている」

-特に関心の高い記事と活用法は。

「根が機械屋なので、自動車をはじめメカニックの話が好きだ。それに記事でも広告でも興味を持った企業にはすぐ電話してみる。当社は特殊な製品を手がけているため、縫製ミシン機械なども一般的な市販品では対応できない。日刊工業新聞の記事をもとに情報収集し、製品開発や生産設備の改良に役立てている」

-ビジネスに活用できるということですね。

 「政治や経済などの流れをつかむため一般紙も読むが、極論するとどこも同じ情報が出ており、新聞によりあまり差異がない。私自身は、日刊工業新聞は自社を向上させるための専門紙だと思っている。先ほども述べたように記事でも広告でも気になったら即問い合わせする。そして新しいアイデアを得ると、製品開発のヒントにしたり、生産設備の改良に役立てたりしている。これからも自社を向上させる専門紙であってほしい」

-どうもありがとうございました。


【略 歴】 小河原通弘(おがわら・みちひろ) 1962年、父親の創業した明大化学に入社。87年社長に就任。93年明大に社名を変更。2009年に会長就任し現在に至る。岡山県出身。72歳(2016年10月現在)。

【企業ファイル】

名称

 明大株式会社

代表者

 小河原敏嗣氏

所在地

 岡山県倉敷市曽原484-1

URL

 http://meidai.co.jp

事業内容

 特殊広幅織物、細幅織物、四軸織物、各種繊維スリング等の開発、製造、販売

 インタビュアー:岡山支局

バックナンバー