読者インタビュー

2016.10.19

わたしの日刊工業新聞 活用法(14) 大和工業社長・名児耶健治さん

「営業に役立つ情報が取れる」 

 板材同士を挟み込んで固定するリベットは、製品の強度や安全性の要となるキーパーツだ。スポット溶接などを代用するため、製造コストを削減できる強みもある。自動車からOA機器、事務用品、医療、航空まで利用分野は多岐にわたる。大和工業は冷間圧造製法によりリベット端面に穴があいた「中空リベット」を製造して約50年。社長の名児耶健治さんに日刊工業新聞の活用法を聞いた。

-日刊工業新聞を読み始めたきっかけを教えてください。

 「会社としては先々代から30年以上購読している。私が入社したのは1999年で、最初の3年間は製造現場を担当していたため読む機会がなかったが、2002年に営業を担当するようになって読み始めた。初めは何が何だかよくわからなかったが、関連する業界や企業の記事から読み進めていくうちに興味が湧き、活用の幅が広がっていった」

-どのくらい時間をかけて読みますか。

 「毎朝7時に出社し、日刊工業新聞、金属産業新聞、ファスニングジャーナル、一般紙の4紙を30分ほどかけて読む。なかでも日刊工業新聞には時間の半分を充て、1面から順番に読む。取引先に自動車関係が多いため、自動車面は必ずチェックする」

-記事のスクラップをされていると聞きます。

 「以前は読んで終わりだったが、覚えていられないため、気になる記事を読み返せるように始めた。取引先や連載物の記事が多い。企業の取り組みについて興味を引く記事があれば、自社で活用できるかもしれないと思い保存している。気になった記事は朝のミーティングで社員に読むようすすめたり、顧客にお見せしたりしている」

-ビジネスで実際にどのような成果がありましたか。

 「バインダーを製造している千葉の企業が日刊工業新聞に広告を出していた。製品写真のなかにあるリベットが目に留り、すぐに問い合わせし成約につながったことがある。広告は取引のない企業にアクセスする良いきっかけになる。『御社の広告を見させてもらったが、何かお役にたてることはありませんか』と持ちかければ、先方は広告への反響がうれしいはずだし、話を聞いてくれる」

-他紙とどう使い分けています。

 「それぞれ役割や使い途は違う。例えて言えば、一般紙は大企業ばかり相手にしている〝森〟、専門紙は細かなところやニッチな分野に着目した〝木〟だろうか。その間に位置する日刊工業新聞は中小企業を見据えた紙面構成のため、ほどよい視野がとれる〝林〟といったところか。本当に欲しい、営業に役立つ情報が取れるため購読している。また成長している企業がどのような経営や社員教育を実践しているか、『挑戦する企業』などの連載で紹介された経営者の考え方も参考になる」

-最後に紙面づくりへの要望をお聞かせください。

 「他業種のことはよく分からないので、用語解説を充実していただけるとありがたい。また日刊工業新聞社からセミナーの案内が送られてくるが、内容が良さそうだと思っても時間がとれず、なかなか参加できない。できれば、セミナーのポイントをかいつまんで報道してもらえないだろうか。そうすればセミナーの宣伝効果もあり、参加者も増えると思う」

-どうもありがとうございました。


【略 歴】 名児耶健治(なごや・けんじ) 八千代国際大学(現秀明大学)卒、1999年祖父の創業した大和工業株式会社に入社。2015年社長。埼玉県出身、43歳(2016年11月現在)。

【企業ファイル】

名称

 大和工業株式会社

代表者

 名児耶健治氏

所在地

 埼玉県川越市福田205-1

URL

 http://www.daiwa-kogyo.jp

事業内容

 リベット製造

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